森林セラピーの基地「綾照葉樹林」を駆け抜け絶景霧島連山の麓「えびの盆地」を巡る旅
総走行距離:約125km
1日目は宮崎市から大淀川沿いに整備された自転車道を辿り照葉樹林が広がる綾町へ。
森林浴の森を駆け抜け、小林市に立ち寄り、えびの京町温泉で一日の疲れを癒やします。
2日目はこの旅のハイライト、JRの日本三大車窓の眺望が味わえる「矢岳高原」に早朝ライドし、絶景を楽しみます。えびの盆地内に点在する「田の神さあ」や国の有形文化財である「めがね橋」を巡り、帰りは輪行でゆったりと宮崎市に戻る旅です。
<1日目> 走行距離:約105km 走行時間:約7時間
宮崎市から綾宮崎自転車道を活用しよう!
宮崎市役所そばの河川敷をスタートし、宮崎定番の全長約26kmの「綾宮崎自転車道」を辿り綾町へ。
大淀川・本庄川の穏やかな景色を眺めながらのサイクリングはとても快適である。
- 宮崎市~綾照葉大吊橋
- 綾照葉大吊橋~出の山公園~京町観光温泉
- オプショナルルート
綾町は国内最大級規模の原生的な照葉樹林が広がる森林セラピーの基地。焼酎のテーマパーク「酒泉の杜」では焼酎、ワイナリーの工場見学や温泉も楽しめ、レストランも充実している。
そこから、綾川渓谷に架かる綾照葉大吊橋を目指す。高さ142m、長さ250mの吊り橋は、歩道吊橋としては世界最大級規模の高さを誇る。
街中から吊り橋までのルートは途中、登りがきつくなるが、吊り橋の上から見渡す原生的な照葉樹林の絶景に、坂道で疲れた足も癒やされる。
◆綾照葉大吊橋
https://www.town.aya.miyazaki.jp/site/tour-guide/1099.html
吊橋から小林市に抜ける県道26号宮崎須木線は適度なアップダウンを伴い、道幅は狭くなるものの、自然に囲まれ交通量も少なく比較的走りやすい。
国道265号から小林市街地までは少しきつめのアップダウンを伴うが、途中には牛の健康にこだわった牧場の直営店「ダイワファーム」があり、絶品のソフトクリームやチーズのご褒美が(ご馳走)が待っている。
小林市では、全国名水百選に選ばれた霧島連峰からの湧水とゲンジボタルで知られる「出の山公園」を訪ねよう。
また、小林市から京町観光温泉までは国道を回避し交通量の比較的少ない県道53号京町小林線を走るのがおすすめである。
京町観光ホテルでは自転車を直接、洋室へ持ち込むことが可能である。予約時にあらかじめその旨を申し出ておくとスムーズである。
春と秋にはそれぞれアイスランドポピー、コスモスが一面に咲き誇る生駒高原がおすすめ。出の山公園から約5kmの ヒルクライムにチャレンジしよう!
<2日目> 走行距離:約55km 走行時間:約4時間30分
- 京町観光温泉~矢岳高原
- えびの盆地めぐり
温泉街から標高約700mの矢岳高原までの約10kmのルートはタフな登りが続く。
所要時間は標準的なサイクリストで約1時間。
高原の展望台から目の前に広がる霧島連山、えびの盆地の田園風景は絶景で、天気の良い日には錦江湾に浮かぶ桜島を望める。
条件が整えば出会える早朝の雲海は幻想的で息をのむほどの美しさである。矢岳高原付近の景色はJRの三大車窓の一つにも数えられており、日中に登ってもその絶景を楽しむことができる。
えびの盆地内には、田んぼを守り、米作りの豊作をもたらすとされる石で作られた神様「田の神さあ(たのかんさあ)」が約150体残っている。
道の駅などでルートを記したガイドブックを入手し、里道を走りながら発見しよう。
約300年前に作られた歴史のあるものや派手な化粧(色付け)を施されたユニークなものなどバリエーションに富んだ「田の神さぁ」を見ることができる。
その中に、全身を荒縄でくくられたものを見つけることがあるかも知れないが、これは神をもたない集落の人々が、他の集落に座っている神像を夜中に盗み出す「おっとい」という風習の名残である。
神像は盗まれるのを好むとされ、またその神は3年で返すというルールがあり、米俵、餅、酒などを添えて密かに夜中に戻ってくる。そのような過去の光景を想像してみるのも面白い。
1928年に木材運搬のトロッコ軌道を通すために架けられた石造りの三連アーチ橋「月の木川橋(めがね橋)」は今でも通行できる状態であり自転車で渡ることもできる。
すぐ近くには江戸時代末期(1850年頃)に造られ今なお重要な水路として活躍している「享保水路太鼓橋」もある。
また、美味しいと評判の「えびの米」を育む水源のひとつで水底まで見える青く澄んだ湧水池「陣の池」も見所である。
今回の輪行
えびの飯野駅~宮崎駅
えびの市から宮崎市までの移動は、輪行がおすすめ。吉都線でえびの飯野駅から都城駅まで移動し、都城駅で日豊本線に乗り換え宮崎駅まで移動しよう。
吉都線はダイヤ本数が少ないため、事前に時刻表を確認しておいた方がよい。